食事と栄養
食事と栄養
長期入院の患者さまは「またこの献立~」と思われがちです。
当院では、「食事の時間が楽しみ!」と思って頂けるように、「手作り」を基本に和・洋・中のバラエティーに富んだメニュー作りに取り組んでいます。
その中で季節感、見た目、食べ易さ、栄養面を考慮し、又、食材の旨味、出汁、香辛料を効かせ薄味でも美味しく食べて頂けるよう、日々試行錯誤しております。
基本、管理栄養士がベッドサイドに訪問し、患者さまの嗜好調査と共に病状把握をします。
必要な場合は栄養管理計画書を作成し、退院までの期間、栄養状態、食事内容、摂取量等を評価し、見直しを行っていきます。
アレルギー対応はもちろん、出来る範囲で嗜好を考慮した個別対応を行い、患者様に合わせた食形態で提供しています。
誤嚥が危惧される患者さまには嚥下造影検査(VF)を行い、適切な食事を提供しております。又、医師の指示のもと、外来、入院時栄養食事指導、NST活動、又、糖尿病、肝臓病教室、地域の方を対象とした講演等も行っています。
ある日の昼食
メニュー
- ごはん160g 240kcal
- チキンソテー 168kcal
- ミネストローネスープ 49kcal
- 人参しりしり 49kcal
- コーヒー寒天 35kcal
エネルギー量 541kcal
タンパク質量 23g 脂質13g 塩分量 2.4g
厚生労働省による食事摂取基準(2020年度版)
1日当たりの食塩相当量(目標値)
男性 7.5g未満 女性 6.5g未満
高血圧あり 6.0g未満
摂食嚥下レベルに合わせた食事形態
一口大キザミ、粗キザミ、キザミ、極小キザミ、ミキサー、トロミ付け、ソフト食など食形態に配慮しています。
管理栄養士/栄養科課長
森清 尚子
今回「ある日の昼食」では、 チキンソテーのお肉は、鶏もも肉を皮なしにし、油で揚げずに下味を付けてオーブンで焼くことで、カロリー40%カットで高たんぱく・低脂肪となっています。 付け合わせのじゃがいも(粉ふきいも)のビタミンCは、りんごの3倍あり加熱しても壊れにくく、グリーンアスパラは新陳代謝を活発にし、疲労を和らげるアスパラギン酸が含まれています。
トマトは話題のリコピンを含み、抗酸化作用は、ビタミンEの100倍とも言われています。
人参しりしりでは、人参に含まれるβカロテンは皮膚や粘膜を守る働きがあります。油と一緒に摂ると吸収率がアップし、さらに皮に多く栄養が含まれるので皮は向かずに調理しています。人参が苦手なドクターが残さずに食べてくれました。
調理方法を工夫することで、同じ献立でも随分カロリー・塩分を調整することができます。当院では、お一人おひとりに寄り添った食事を提供し、患者様に少しでも笑顔になっていただけるよう、日々努力しています。
給食 理念
清潔 迅速 静粛
楽しいお食事のひとときを
入院生活の期間、ひと時の安らぎの時間をお手伝いいたします。
なるべく地元産の食材を使ったお料理を提供するよう心がけています。治療の要素でもある食事のメニューは、患者様個々の栄養状態に合わせたものになりますが、満足していただけるよう季節の食材や行事食を取り入れるなど工夫しています。
職員食
当院の職員は、患者様と同じ食事をリーズナブルな料金で味わうことができます。
患者様と同じ食事をとることで、患者様の気持ちを共有し、より満足のいく食事を提供できることを意識しています。
また、患者様と同様、職員の健康管理にも配慮しております。
職員に人気のメニューランキング
当院の取り組み
VF検査(ビデオ嚥下造影検査)Video Fluorography test
医師のもと、X線透視下で、造影剤を混ぜた模擬食品、液体を摂取してもらい、口腔→咽頭→喉頭→食道に至るまでの働き、構造の異常、食塊の動きを評価する。
目的・・・何らかの障害により、絶食となった対象者の栄養ルートの決定を医師の指示にて行う。
NSTNutrition Support Team
栄養管理はすべての疾患治療の上で共通する基本的医療のひとつである。
個々の症例に応じて適切に実施することを栄養サポートといい、これを職種の壁を越えてチーム医療として実施することをNSTという。
低栄養患者をピックアップし、チームとして適切で質の高い栄養管理の提供を行うことで、疾患罹患率、死亡率の減少を目指す。
また、栄養管理に関する病院全体のレベルアップを目標としている。