俵山 温泉プロジェクト

1050年(永承5年) 醍醐天皇の御代、稗と粟の粗食に耐え弓矢を業としていた猟師が山中で湯浴みをしている白猿を発見した。白猿は静かに消え失せたが、そこには温泉が湧き出ていたと伝えらえている。「俵山 白猿物語」

また、俵山の地名は 1857年(安政4年)、官許の日本地図では正明市深川猿山(さる山)となっており、のちに俵山となった。

神経痛、リウマチの特効温泉として広く知られ、日本全国はもとより、戦前は青島、大連より療養のために訪れていた。

1954年(昭和29年)、環境庁が全国の72カ所を選んで国民保養温泉に指定。

俵山は全国第三番目に指定を受ける。

当温泉に関する研究は九大高安先生による触媒説、矢野教授による副腎皮質刺激説、岡山医科大学の関正次教授の学説などがある。
関教授は全国100カ所のアルカリ性温泉の中から俵山温泉が良アルカリ性温泉として全国一位であると推挙された。

町の湯:湧出直後 pH 9.8
皮膚表面は弱酸性であるため、アルカリ性が減じ炭酸の小気泡が生じる。これは硫化水素が生じるためと考えらえている。硫黄臭が強く、水硫イオンを多く含んでいる。

1981年(昭和56年)、環境庁が全国の7カ所を選んで第一期国民保健温泉地に指定。

俵山病院が国民保健温泉地の認可のための医療機関として登録されている。
リハビリを行う当病院にも温泉を有することが望ましいとされ、県温泉審議会の許可を頂き、山口大学高橋教授の指示のもと、病院玄関前でボーリングを開始。600m掘り進んで泉脈に到達。

桂の湯:湧出量はわずかだが、pH 10の良アルカリ温泉。
適応症:リウマチ性疾患、運動器疾患、神経麻痺、神経症、疲労回復、病後の回復

※ 参考資料
1、大津郡誌
2、長門市史
3、「わがふるさと俵山」医療法人 生山会 1985年発行 から引用。

日本温泉気候物理学会では、齋木泰彦内科医師が山口県で唯一の専門医として登録されている。(2020年6月現在)

2020年夏、俵山のまちで、行政、民間、医療が一体となった新しいプロジェクトが動き出そうとしています。

1984年11月18日

第11回山口県理学療法士研究会 開催(俵山病院にて)
○「脳卒中患者の病態別調査分析結果報告書」

2015年11月29日

温泉気候物理医学会 中国・四国地区研修会 開催(長門市)
(当番幹事:専門医 齋木泰彦 内科医師)

温泉気候物理医学会

○「時代にあわせた、新しい温泉医療について」
 齋木泰彦(生山会斎木病院院長)

2017年5月14日

第81回 日本温泉気候物理医学会総会・学術集会(群馬県 伊香保)
○「俵山温泉のアンチエイジング効果について」
 齋木泰彦(生山会斎木病院院長)

日本温泉気候物理医学会

2018年10月14日

第72回 長北医学会
○『当病院の温泉を利用した運動浴の取り組みについて』
 俵山病院 リハビリテーション科 村野学

俵山病院 村野学

2018年11月

姉妹都市ロシアのソチに訪問。
俵山温泉の魅力についてのプロモーションビデオ披露。
長門市とソチ市は教育や文化、スポーツ、観光などの分野でさらに連携・協力を進めていくこととなった。ソチ市は南北に長い地形であり、温暖な気候の南部には温泉医療施設が数多く存在しており、その医療レベルの水準も高い。 今回の訪問に合わせ、当院の齋木泰彦医師も、湯治のまちとして有名な俵山温泉の魅力についてプロモーションビデオをケーブルテレビ局と製作された。そのビデオが、ソチの温泉医療施設マチェスタで紹介され、関心を集めた。

温泉医療施設マチェスタにて

2024年3月29日

  健康と温泉フォーラム第115回月例研究会(東京文化会館)
  齋木泰彦医師、『Not-well-known hot springs 〜俵山温泉の可能性〜』